お姉ちゃんが死んで、もう1年が経つんだね。 高校卒業も間近に迫った初春。 松本美夏は、姉、春乃の死による心の傷も癒え、普通の生活を取り戻しつつあった。 そんな頃、巷ではとある事件が連日ワイドショーで取り上げられていた。 その事件とは―― 重犯罪者連続殺人事件 人を殺してもなお、逃走を続けていた犯罪者達が次々と殺されていた。 ある人は言う、天罰が下ったのだと。 ある人は言う、ただの愉快犯だろうと。 ある人は言う、犯人は英雄だと。 殺してくれて良かった。やっと、あの子も報われていると思います。 犯人に、感謝です。 人を殺した者は殺されても文句は言えないのか? 「そんなこと、ないと思います。犯人だって、人間です。生きる権利はあると思います!」 理不尽に姉を殺されていても美夏はそう言う。 「そうか? 俺はそうは思わないな」 謎の青年、高田は言う―― 「重犯罪者なんて、みんな死ねばいい」 懸命な捜査にもかかわらず増え続ける“犠牲者” 「止めないと。復讐なんてしても、全然気持ちは晴れないよ……!」 現場を訪れると、いつもそこには―― 「高田さん……?」 犯人は高田なのか―― 「家族を殺された人の気持ちは、そうなった人にしか分かりませんよ」 「だが俺は君の気持ちは分からないね」 憎しみは尽きることはなく―― 「俺は、兄を殺した奴を許さない――絶対に」 高田は犯人を見据え、拳銃を構えた。 「高田さん、だめっ!」 重犯罪者連続殺人事件 近日公開予定 ずっと考えてた、全てが終わったらどうするのかを。 |